こみちの部屋

今興味を持ってるコト、感じてるコト、大切に書きとめたい。

阿部サダヲはブッダの化身になった。

少し前にWOWOWで『彼女がその名を知らない鳥たち』の映画をやってました。

この作品は本を、以前会社のデザイナーさん(女性)が絶賛するので貸してもらったことがあり(店頭でもかなりヒットしていたそう)、でも私には良さが全く分からず、これをいいと思うなんて、相当な恋愛経験の持ち主であるな!なんかスゴいわ!!と思った次第でした。
安易で馴れ合いな男女関係、全編を通しての暗さに嫌悪感覚えるような作品だったのですよね…

で、久々に、もしかしてこれはあの作品では?映画化されていたのか?主人公蒼井優?可愛すぎでは??
本を読んだ感じでは、主人公はもっと擦れただらしない、でも女性的な色気は持っている人をイメージしていたが…

見てみるか 一応…
録画もしとくか 一応…

場面は主人公、北原十和子(蒼井優)の百貨店時計売場へのねちっこいクレームから始まる。仕事はせず、部屋も汚くダラダラとした日常を送っている。
こんな風になりたくな~いの見本のような姿。

15歳年上の男性 佐野陣治(阿部サダヲ)と同居し僅かな生活費をもらっているが、彼の不潔さや品の無さが大嫌い。昔つきあっていたいい男 黒崎のことを忘れられずにいる。
百貨店にクレームつけてるうちに、売場担当者のこちらは若手いい男 水島(松坂桃李)が謝罪にやって来て、なんとなく出来上がってしまう。この売場担当者は身体張ってのクレーム処理か?とも思われる。(笑)
この男一見爽やかでいい感じだが、奥さんと子供が居て、話の内容など後で気付くのだが、実はとてつもなく薄っぺらい。

蒼井優がしっかりだらしない。可愛いのにダメダメである。クレーム処理で自宅に赴いた水島の前でえ~んと涙し、男女関係になっちゃう。
はっ!?
まぁ相手が松坂桃李じゃ仕方ないか…

同居の阿部サダヲは毎日顔真っ黒にして帰宅して(作業現場で働いている)、夕飯は彼が用意するのであるが、食べ方が汚く十和子はすっかり幻滅している。彼女に心底尽くしてるのにひどい態度をとり続ける十和子。

で、昔の男 黒崎ってのが竹野内豊で、あーーー竹野内豊ねーーー。
結婚を匂わせながら彼女に借金した上に、金を借りるために、ある男性に彼女を差し出すありさま。ひどすぎる。結局その男の義理の娘と結婚することになってるし。へっ!?
十和子との別れ際は彼女に対する暴力が酷いことになっていた。
ないわ~ないわ~~
でも黒崎のことが忘れられない十和子。

解説の方が、「僕仕事でなかったらこの作品途中で見るのやめてたかもです。」と言ってましたが、すごくまともな感想で嬉しかった(笑)「共感出来る人が誰も出て来ない。」
ですよね、ですよねーーー。

がしかし本読んでた時は暗くて嫌だったけど、このキャスディングはいけてる!それなら分かります、イヤ、分からないけど有るかもしれないと見ている者を納得させる豪華な俳優人。そして全員のダメッぷり(クズっぷり)演技素晴らしい。


そのダメダメで進んでいく中、
ラストで一気に覆されるんです。全てが。
場面詳細については語りませんが、ああそういうことだったのかと。
十和子の横暴な態度に、何故陣治は何も言わず耐えていたのか?
分かるんですね。ラスト。

私はラスト、バレエ『ラ・バヤデール』という作品のブッダの化身「ブロンズアイドル」の踊りの場面が思い浮かびました。
陣治はブッダの化身になったのです。セカイが一度崩壊し、全身を金粉で塗りたくったブッダの化身現れ、超絶技巧のバレエを踊り、後には新世界が訪れる、まさにそれです。(一人でスゴク納得しております。間違いないです。)

作者の沼田まほかるさんは御年70歳、実家がお寺でご自身も得度されているとのこと。

このラストにはそれが反映されてるように思います。

本を読んだときは全く踏み込めなかったけど、映画では俳優さんたちの演技に引き込まれ、私にもラストの衝撃と感動、しっかり伝わりました。陣地の愛はすごい!!
昔デザイナーさんが「スゴいよね~」って言ってたの分かりました。
スゴいです!!

よろしかったら見てみてね。

スペイン国立バレエ団《アレント》見ました。

昨日は3週連続のバレエ観賞。
これで年末まではちょっとお休みです。

スペイン国立バレエ団を見に、先週と同じく上野駅公園口出てすぐの東京文化会館へ。先週は余裕なくて気付かなかったですが、改札前にパンダグッズとか売ってるんですね。パンダの煎餅とか買いそうになりましたわ、思わず。今回の席は真ん中踊り場手前列左端辺り。やっぱり前の席の方の頭被らない。見易い。

スペイン国立バレエ団の初来日が1989年というから、その頃見たんだわ。「ボレロ」を見たとき、演出の素晴らしさに衝撃を受けて、来日する度に見に行っていた記憶があります。

でも時代変わって、スペインからは多くの有名なダンサーやカンパニーが来日するようになり、また日本もそれぞれのお教室で、クラシコ(クラシックの曲に合わせて踊るフラメンコ舞踊)もそれなりのレベルで表現出来るようになって、身内がやってるとさらなる感動をおぼえたりして(かくゆう私もクラシコはやったわ)、こちらのバレエ団からは足が遠のいておりました。

数年前に(よく思い出せない…)久々のボレロを見たときは、自分の中ではなんだか目新しさが無くなっていた思いあります。

でも今回はなんだか期待できるような気がする!3年前の新作《アレント》を見てみたい!というのもあり、Aプログラムのほうを選択。

1部は《エリターニャ》バレエの衣装なんだけど、ピンクベースのポップな色使いが可愛い。空中で足交差させながらパリージョ(カスタネット)鳴らしてたわ~

《マントンのソレア》巨大マントンを使ってのソレア。力いる~。カンテの二人が良かったな(女性サライ・ムニョス、男性ガブリエル・デ・ラ・トマサ)。フラメンコのカンテは祈りに聞こえますね、私。自分がフラメンコから離れてみて、時々カンテを聞くと、すごくそう思います。空間への音の通り方が、直線的で強く伸びていく感じなんですね。心臓に一直線で飛んでくる感じです。

サラサーテのサパテアード》ヴァイオリンとピアノに合わせての男性のソロパート。ダブルキャストなんですね。私が見た回はフランシスコ・ベラスコ。足自由自在。

と、ここまでは意外とサラッと終わる。

う~ん、これはバレエ好きな人がちょっと違うジャンルでと見にくるのかな…フラメンコ相当見てる&やってる人は敢えてこのバレエ団見に来ないんじゃなかろうか。みんなそれぞれ好きなアーティストの舞台見に行くよね。昔のフラメンコ仲間やそれらしき感じの方も見かけないし。でも席は埋まってるから、みなさんどういったジャンルの方で?

などと思ってた私、2部の《アレント》を見て久々の衝撃受けました!

場面は6つに展開され、男女群舞のパート・男女ペアのパート・女性だけのパート・男性だけのパート・女性ソロパート・そして最後に男女群舞のパートへと変化しながらの、押し寄せるスピード感。レベルの高い技術を持った力強い集団演技。ウエストサイドストーリーを彷彿とさせるってのは前もって聞いてたのですが、ジャズ、ブルース、ソウル、そしてアルゼンチンタンゴともフュージョンされているそう。

カ~ッコイイ~~!!

バレエの技術のある方がやられている、フラメンコ・スペイン舞踊の枠を超えた創作ものの集団演技。これじゃないですか?スペイン国立バレエ団。他には無いもの。真似できないものです。

とにかく早い速度・展開なんですが、みなさんのレベルの高さが際立って、私達なんでも出来るんですのよ!って言ってる感じしました。イスに座っての集団でのサパテアード(足を打つこと)良かったです。ソロで踊られたインマクラーダ・サロモンも素晴らしかった。

で、最後カーテンコールに芸術監督現れて、あ!この方、私より数列前のセンターセクションに座られてた、きっと関係者だわってオーラをまとわれてた方だ!と思ってたら、芸術監督アントニオ・ナハーロ氏だった~予備知識なさすぎスミマセン(汗)。

アレント》はこのナハーロ氏の振付なんですね。彼は元スペイン国立のプリンシパルで、フィギアスケートのステファン・ランビエールハビエル・フェルナンデスの振付なども手がけてるそう。そういえば良くペアのスケート選手がやってる、女性が男性の背中に乗って反対側に着地な振付あったわ~。ある方のブログで、ファッションショーで男性がパリージョ付きの群舞で踊ってて、途中からナハーロ氏もそこに加わってるの見ましたが、彼の踊り、超セクシーなんですね。完全にノックアウトです。

素晴らしい芸術監督に素晴らしい作品。

スペイン国立バレエ団の向かう道、見えたような気がしました。きっとBプロの《ボレロ》も進化しているに違いないでしょう。

今後も楽しみです!

 

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今週は「ロミオとジュリエット」へ

昨日はKバレエカンパニーの「ロミオとジュリエット」を見に東京文化会館へ。

2週連続バレエ観賞となりまして、なんかもう、見たいものは躊躇せず見よう!ってことにしたのですね、自分。

しかし結構疲労です(笑)。後でブログに書きたいから、しっかり見なきゃと思うと力が入るし、同じ姿勢でじーっとしてるので首コリがやってきます。休憩時間は出来るだけ席を立ち、プラプラしたほうが良いですね。

ロミジュリは、2014年に哲ちゃん(熊川哲也さん)とロベルタさんが踊ったのを見ていて、その時の感想をファンクラブの会報誌に載せてもらった嬉しい思い出があります。
やんちゃで天真爛漫なロミオが哲ちゃんのキャラクターにピタリとハマッていて、ラストの感情豊かな二人の表現の素晴らしかったこと、記憶しています。

今回は4組のキャストの中から、ロミオ堀内將平くん・ジュリエット矢内千夏さんの若手ペアを見ることに。
矢内さんについては、伸び盛りの若手として注目していたけど、俄然自分の中で注目度が上がったのは、今年2月の公演『NEW PIECES』からの「FLOW ROUTE (流れゆくもの)」で、渡辺レイさん振付のコンテンポラリー作品を踊っているのを見てから。
クラシックを踊る雰囲気とはまた全然違った、キリッと大人な雰囲気でとても良かった。

私が思うにコンテンポラリーの作品は、その人の持っている色気というか…セクシーさがとても影響すると思う。
クラシックの王子様・王女様役は似合っても、コンテンポラリー作品を踊って魅力的かっていうと、そうでもない。
でも彼女はとても素敵だった。むしろコンテンポラリーを踊る彼女を見たい。是非また踊って欲しい。

堀内くんのことは、つい最近まで知らなかった。去年「クレオパトラ」で数人で踊ってるのを見たときに、誰だろこの子?と思って名前をチェックしていたら、もう主役にキャスティングされていた!!

久々の東京文化会館は、段差があって、オーチャードホールより遥かに見やすかった。前の人の頭が全然被らないし(今回は前の席の方いなかったけど…)。
1階の踊り場より後ろの席だったけど、とても解放感あった。

さぁ、開幕!

いつもいつもだけど、衣装がキレイ。ライトが当たったときに美しく見える色合いが計算しつくされていて、印象派の絵画を見ているよう。

ストーリーは、敵対する二人の家。ジュリエットは見ず知らずの相手と結婚させられそうになっていて、ある日身分を隠したロミオと出会い、二人は恋に落ち、でも周りの猛反対にあって、身内の殺し合いがあって、逃れるためにジュリエットは死を偽装し、ロミオは彼女が本当に死んでしまったと思い自殺し、目覚めたジュリエットも後を追う…という悲劇ですね。

若い二人の伸び伸びとした踊りと雰囲気が良かった。等身大な感じですね。特にバルコニーのシーンは二人の見せ場。堪能しました。出会い、心惹かれ、お互いの家は仲が悪いけど、そんなの何だっていうんだ!っていう、若さゆえの、ある意味思慮深さに欠けた行動と、純真無垢さが伝わってきました。ラストの矢内さんの嘆きの表情も良かった。これからも応援していきたい二人です。成長が楽しみ。

そんなこんなで、2度目のブログ投稿終了です。

体力不足なのでこの辺で(笑)。また次回。

 

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ブログ始めました&マシュー・ボーンのシンデレラ鑑賞

ブログ始めました!

以前からの文章書きたい欲求&Facebookだと長い文章は不向きでは?ということなどあり、面倒くささを乗り越え、この久々の三連休にようやくスタートに至りました。あぁ奇跡的、よく頑張った、エライエライ(;o;)

で、昨日は17:30~渋谷ヒカリエにある東急シアターオーブマシュー・ボーンの「シンデレラ」を見まして、その感想など載せたいと思います。

マシュー・ボーンといえば、やはり男性だけの「白鳥の湖」が有名でしょうか。主役のアダム・クーパーのカリスマ性に加え、ゲイの香り&近親相姦ありのストーリーに衝撃を受けました。その後何度かマシューの作品は来ていたものの、見るタイミングを逃し、念願の作品鑑賞に。そして今回はなんとバックステージパス付きのチケット(^O^)ワクワク

まずこちらの「シンデレラ」、舞台は第二次世界大戦下のロンドン。義母に姉妹二人に、うん?兄弟二人、そして車椅子のお父さん。みんなは「カフェ・ド・パリ」というダンスホールに行くことを楽しみにしてるらしい。もちろんシンデレラは仲間はずれ。ある日負傷したパイロット(王子さま?)がやって来て看病してあげるも、一瞬で別れることに。そこにエンジェルが現れ、彼女をそっと導いてあげる。

このエンジェル役のパリスくん。まだかなり若そう!スラッと背が高くて顔がちっちゃくて、ホワイトヘアーに光沢のあるホワイトスーツで輝いている。今日の一番。私だったらパイロットじゃなくてエンジェルに恋しちゃうけどね。あ、エンジェルは見えないのか。そうね。そうに違いない。

一幕目は少々地味に終了。眠気も誘ったけど、二幕目から徐々に盛り上がっていきますよ~

二幕目の最初、爆弾落ちてみんなが倒れているところから、エンジェルがみんなを立ち上がらせて、ミラーボール輝くダンスホールへの、場面の変化が見事だった。そこにドレスアップしたシンデレラが登場。パイロットと再びめぐり逢い結ばれるも、時計が12時を告げ、靴を片方残して立ち去るシンデレラ。

さあそして、お気に入りの三幕目はパイロットがシンデレラを探す旅に。なんとシンデレラは心痛で精神病院に入院。そこのドクターが、白衣に眼鏡のエンジェル?いやエンジェルの人が演じてるけどエンジェルじゃない??

この病院の場面が白ベースなモノトーンで、ロンドンっぽくてスタイリッシュ。サイコホラー的な雰囲気も漂う。家族が見舞いに来るけど、着てる服が全員グレー。なんと義母はシンデレラに枕かぶせて窒息させようとしていたな…シンデレラのお父さんの足を撃って車椅子状態にしたのも義母のしわざ?なシーンも盛り込まれていて、この辺のダークさがマシューっぽい。

で、その病院にパイロットがやってくるも、エンジェル似?のドクターに頭に電流流されて、でもそれで正気に戻って?シンデレラと再会。ラストは終戦で駅に帰ってくる人々・そこから立ち去る人々達。シンデレラとパイロットも家族に祝福され旅立って行く。マシューの作品だから、ラストに何かあるんじゃないかとドキドキしてたけど、12時が過ぎても二人は結ばれたままで良かった。そしてエンジェルはまた別な孤独な女性に手を差し伸べる素敵なシーンで終了。

 

ここまでが舞台鑑賞で、さあ、ここからがバックステージツアーです!

まず1Fのロビーに集合。この列なんだろう?って知らない人達に優越感覚えながら、もう一度席に戻り、スリッパに履き変え、ホリプロの女性の方に案内され、舞台上手側(客席から見て右手)からバックステージへ。

まず舞台上で使う小物たちは、ステージ裏すぐのところにあるテーブルの上にあり、全てのものの置き場が、どこに置くのか決まっている(テーブルに書いてある)のですと。本とかグラスとかetc。

グラスは遠目で中身が入ってるように見えるように、グラス自体に色が付いてました!

簡易な黒いイスがずらっと横に並んでいて、イスの前には出演者の役柄と名前(それぞれナンバーが付いてた)を書いた紙が置いてあって、必要なものは全てそのイスの上に準備されるんだとか。

靴や帽子もビニール製の棚ラックで吊るされてて、それぞれ名前が書いてあって管理されてました。

ドレッサーも4台あったかな…ロンドンから持ってきたもので、いずれも舞台裏で早着替えに必要なものだそう。

ライティングの機材なんかも全てロンドンから。立ってるけど脇にキャスターがついてて横に倒して運べる式。ツアーが多くて皆さん慣れてるから、2日でセッティング、半日ダンサーの方のリハーサルで、夜からの公演と説明されていたように思う。

メリーポピンズでは舞台セットの入替えは全部自動だったそうだけど、今回は全て手動。

日本の舞台監督の方がいらっしゃるけど、進行係の方はイギリスからいらっしゃると。裏方の方が滞り無く準備・進行して下さって、ダンサーは初めて実力を発揮できるのだなと改めて実感。床材もロンドンから運んでるんだそう。

そして!何より興奮したのは、舞台から客席を見れたこと。うわぁ素敵。こんなところで踊れるなんて気持ちい~だろ~な~。不思議なのは、舞台が客席から見てたときより狭く感じたこと。なんでだろ。最後に投げ捨て気味のシンデレラのキラキラシルバー靴発見!こちらも定位置の舞台袖。

とにかく貴重な体験できて本当に良かった。

テンションあがるあがる~~

 

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